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ハゲ知らずのアフリカ人。 食育で増毛、育毛。

世界中をめぐる著者が、現地の健康情報を毎週お届けします。

 

軽自動車で、稚内から南アフリカを目指しているバガボンドです。

クレジットカードでキャッシングして間髪入れずに返済すれば、ほとんど金利がかからないからお得!という裏技に挑んだ昨今。限度額を超えてしまい、お金を下ろせなくなりました。
諸事情は割愛しますが、預金も下ろせません。
完全なキャッシュフロー不足。食事はスパゲティにケチャップをかけただけの「素スパゲティ」。
西アフリカの辺境で、兵糧攻めを食らっております。

手ぐし1回で、7年ものの髪の毛が殉死。

校則で、女の子は坊主頭。(コートジボワール)

校則で、女の子は坊主頭。(コートジボワール)

2年前、稚内を出奔したときは坊主頭。
いい歳こいていつまでも部活帰りの頭でもあるまいと伸ばしたら、今では金八先生ほどに成長。
黒より白の多い、いぶし銀のロン毛です。
自分ではナイジェリアのジャングルほど密生しているつもりでしたが、よくよく鏡を見るとサブサハラのごとく砂漠化している前頭葉。
いつの間にか、スカスカです。
想像の百倍以上にまばらな髪の毛の先に、明日がうっすらと透けているわけで、恐れ多くも准ハゲじゃないですか、拙者。
手ぐしをするとごそっと毛が抜けて、指の間に10cm級の髪の毛が10本も絡まります。
髪の毛は1ヶ月1.2cm伸びるというので、
10cm×10本÷1.2cm
と計算すると、83ヶ月。
げえっ!
マジですかっ!
手ぐし1回で、手塩にかけた7年もの歳月が殉死する頭髪。
なんか計算間違ってますか?
西アフリカの猛暑にさらされた頭皮は汗だらけで、見るからに不潔そうですが、抜け毛が怖くてシャンプーできません。
頭頂に迫るバーコードの影。
洗髪ですべてが押し流されてしまわぬうちに、植林すべきかもしれません。
お見積もりは、300本で3,900円。
髪の毛は1日に100本ほど抜けるので、3日分にしかならんじゃないですかっ!
平均的な抜け毛をキープするだけで、
30日÷3日×3900円=39,000円
ひと月、およそ40,000円。
円形脱毛症になりそうです。

西アフリカは、増毛も育毛も難しい。

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手ぐし不可の天然チリチリパーマ。(ブルキナファソ)

悟りました。
貧乏人は、科学に頼ってはいけません。
見渡せば、ハゲ知らずのアフリカ人。
彼らを見習い、食生活を変えて体質改善に努めます。

抜け毛を防ぐには、亜鉛です。
脱毛ホルモンを抑制してくれる亜鉛は、牡蠣。
しかし、ここは西アフリカ。
牡蠣なんてないじゃないですか!
牡蠣がダメなら、アワビ。高級すぎて探す気にもなれません。
抜け毛を防げないのなら、去るもの以上に増やせばいいのです。
増毛計画。
髪の毛の原料は、たんぱく質。魚介類と大豆です。
大豆は醤油で補充するとしても、魚介類はちょいと無理。
一片の氷すらない路上の魚屋。一発で腹を壊しそうです。
代案として、キノコ。ビタミンDを摂取すれば、髪の毛に必要なカルシウムを吸収できます。
ところがマッシュルームのないスーパーマーケットです。
西アフリカで、増毛は難しい。
ならば、少ない毛をすくすくと大事に育てたい。
総数精鋭育毛派には、海藻類のヨウ素が効果的ですが、どこにワカメや昆布が売っていましょうや。
ここらで発想を変えます。
まず土壌づくりというか、頭皮づくりにハゲみます。
頭皮の血行をよくするには、唐辛子です。
唐辛子はどこでも買えますが、すみません、ホントごめんなさい。辛いのは苦手です。
抜け毛を防げず、増毛も無理。
栄養不足の土壌なら、せめて頭皮の乾燥を防ぎたい。
そこでビタミンAが豊富な緑黄色野菜。とはいえ、野菜だけあってもね、ご飯がススまないです。

とりあえず、アルコールの飲み過ぎは亜鉛の排出量が増えます。
抜け毛が増えるので、お酒は控えます。
日本から持ち込んだ乾燥ワカメは、残りあと少々。
2018年の夏まで、アフリカ大陸を彷徨うつもりですが、
「このハゲーーーーーっ!」
と叫ばれる前に、脱出したいです。

 

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)
デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。

 

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