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「つり革瞑想」で満員電車を乗り切る!通勤のストレスを解消するマインドフルネスとは

疲労・ストレスに効く、集中力や判断力を高めるなど様々な効果があり、Googleなど一流企業が次々に取り入れていることで話題のマインドフルネス。『脳がクリアになるマインドフルネス仕事術』(クロスメディア・パブリッシング)は、「禅僧の精神科医」として現代のビジネスパーソンが抱える多様な問題を解決してきた川野泰周氏による”ビジネスパーソンのためのマインドフルネス入門書”だ。「マインドフルネスとはなにか?」「どんな効果があるのか?」「どうやってやるのか?」そんな疑問に川野氏が答える。

Pulled focus image of a man standing on a train

ストレスだらけの満員電車

 

——とある禅寺にて。ビジネスパーソン・A氏と、マインドフルネスの専門家である「先生」の会話——

A氏:家を出ると、今度は満員電車が待ち構えています。狭苦しい車内にぎゅうぎゅうに詰め込まれ、押し合いへし合い、足を踏まれ……。スマートフォンを見たり本を読む余裕もなく、ただじっと耐えるしかない。ようやく駅に着くころには、もうグッタリですよ。反対ホームに郊外行きの特急が停 まっているのを見ると、思わずそっちに乗ってしまいたくなります。空いている電車にゆったり座って、海辺の温泉にでも行ってしまいたい……。

先生:よくわかります。ですから、私は思い切って海辺の温泉に行ってしまいますよ。

A氏:ええ? 先生、自由人なんですね。私のような一会社員には、さすがにそんな思い切ったことはできないなあ。

先生:私も同じですよ。職場には向かわないといけない。でも、心は自由なのです。私は電車の中で瞑想をしているのです。

A氏:
電車の中で瞑想!?あんな落ち着かない空間で瞑想なんて、無理です!

 

南の島へ飛んで行く⁉︎

 

「今、この瞬間」について意識しすぎると、苦痛になってしまうこともあります。 満員電車などがそうですね。ものすごく苦しい状況において「今、この瞬間」をじっくり味わおう、満員電車を堪能しましょう、とは言えません。

このような場合は、意識に自由度を持たせてあげましょう。イマジネーションの世界を堪能するのです。たとえば、心だけ電車を離れ、南の島へ飛んで行ってもいい。

一度「満員電車は嫌なものだ」と記憶する、つまりマインドセットされると、余計に苦しくなってしまいます。脳が過剰防衛状態になり、嫌な気持ちが増幅されてしまう。これがあまりに行き過ぎると、「電車に乗ると過呼吸になって失神してしまう」といった身体反応を示すこともあります。これがパニック発作の発症原理です。脳がその状況を拒否するあまり、意識を強制的にシャットアウトしてしまうのですね。

大切なのは、あらかじめ「心は自由だ」とイメージしておくことです。いざとなったらイメージの空間へ行くことができるんだ、と知っておくことで、心に余裕が生まれます。すると、その場所の苦痛度が軽減され、負のマインドセットも和らいでいきます。

心が自由だからといってあまりに遠くまで行ってしまうと、現実に戻ってこられるのか心配になるかもしれませんが、大丈夫です。私たちは「呼吸」という強い味方を持っています。

意識がさまよう船だとしたら、呼吸は「イカリ」です。呼吸があちこちへ流れて ゆく意識をぐっと引き戻してくれる。イメージ瞑想でどこかへ飛んでいっても、現 実に戻ってくるときには一回深呼吸をしましょう。そうすることで、「今、この瞬間」 の現実にスムーズに戻ってくることができます。

 

おすすめトレーニング:「つり革瞑想」

 

先生:瞑想は、ただ立っているだけでできるもの。もっと言ってしまえば、「生きてさえいれば」できるものです。毎朝乗らざるをえない満員電車も、「瞑想のための場所と時間が確保されている」「よし、今日はどこへ行こうか」ととらえられるようになるといいですね。

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『脳がクリアになるマインドフルネス仕事術』

マインドフルネス書影2

川野氏がマインドフルネスを解説する本書。序章では、「そもそもマインドフルネスとは一体なんなのか?」「どんな効能があるのか?」といった素朴な疑問を一から解消していきます。
第1章では、「呼吸瞑想」「歩行瞑想」など、マインドフルネスを実践するための 基本的な方法を解説。

第2章では、マインドフルネスを実生活において活かすための具体的な方法をお話しします。「満員電車が辛い」「仕事中に集中が途切れる「休日も仕事のことが頭を離れない」など、現代ビジネスパーソンのストレス源を14 点 取り上げ、「つり革瞑想」「キーアクション」などの解決策を図解入りで示しています。
第3章では、現代においてマインドフルネスが求められる背景と、科学的エビデンスを検証。

第4章では、マインドフルネスを習慣にした人がどのような変化を得られ、周囲にどんな影響をもたらしていくのかをお伝えしていきます。

⇨詳細・ご購入はこちら:『脳がクリアになるマインドフルネス仕事術』(Amazon)

目次

  • 序章 脳をクリアにするマインドフルネスとは
  • 第1章 マインドフルになる方法

・基本メソッドその① マインドフルな思考法

・基本メソッドその② 呼吸瞑想と歩行瞑想

  • 第2章 仕事のストレスをなくす14のメソッド

出勤前のストレス/集中できないストレス/マルチタスクのストレス/失敗した時のストレス/アイデアが出てこないストレス/疲れが取れないストレス……

  • 第3章 なぜ今、マインドフルネスなのか

・世界のトップリーダーが熱中する理由

・仕事のパフォーマンスを高める10の効能

  • 第4章 マインドフルネスは生き方を変える
  • 読者特典 毎日快適にはたらく!「疲れ」解消事典

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