MENTAL

傍観者の視点を持ってみよう!思い込みは切り離せる。

「自分を変える習慣力」(著:三浦将)より

傍観してみる

Satisfied with work done. Happy young business man looking out windows in office.

悩み苦しんでいるときに持っている思い込みは、視野を狭め、可能性への探索への推進力を弱め、ストレスを増大させます。これは、言わば袋小路に入っているようなもの。人はついついこの袋小路に入って、抜け出すことに希望を持たなくなってしまう場合があります。

しかし、傍観者の意識を持つことで、深い迷いに入って、抜け出すのは困難と思っていた人も、意外とすんなりと抜け出すことができるのです。

思い込みを切り離す

Vietnamese business executive fell asleep at his workplace

悩み、苦しみ、思い込みにどっぷりとつかっていると、その思い込みをあたかも事実としてとらえがちになります。起こっていることへの勝手な決め付けなども起こり、人間関係でいえば、「あいつはこう思っているに決まっている」というように、まわりの人たちが信用できない状態になっていることすらあります。だから、一度冷静になって、事実とその思い込みを切り離す必要があるのです。

自分を傍観するセルフコーチングのやり方の例を挙げていきましょう。あなたが今悩んでいるテーマについて、自分を傍観してみます。まずは、あまり重くない悩みのテーマを1つ選んでください。慣れていないうちからあまり重いテーマでやってしまうと、次のステップで、心に負担がかかりすぎてしまう場合がありますので、注意してください。

セルフコーチングのやり方

Step1

最初はリラックスすることから始めます。椅子に腰かけながら、深呼吸を何回かして、肩の力を抜きます。肩の力を抜くときは、一度思いきり方に力を入れてから、スッと力を抜いてあげると上手く抜くことができます。

Step2

椅子に腰かけながら、あなたがその悩みに最も苦しんでいる瞬間を思い出します。どこにいて、どんな人たちといて、何をしているか?そのとき見えるもの、聞こえるもの、感じている体の感覚、まるでその瞬間が今ここで起こっているかのようにありありと感じてみてください。そして、この瞬間感じている気持ちはどんな気持か?その気持ちを強く感じると、体はどんな反応(胸が苦しい、肩が重いなど)をしているか?などをリアルに感じてみてください。

Step3

次に、ちょっと変な話ですが、まるで自分の体と心から脱げ出すように、その座っている場所から立ち上がって、2,3歩ばかり別の場所に移動します。

離れたら、その離れた場所で、伸びをしたり、脚をバタバタさせたりして、一度思いきりリラックスします。悩みの瞬間を臨場感を持って体験した後ですから、ここでは思いっきり心も体もリラックスしてみます。ここでしっかりリラックスすることが大事です。

Step4

十分にリラックスしたら、その椅子から離れた位置から、ステップ2で苦しんでいる自分(椅子に座っている)をまるで他人事のように見ます。ビデオを観るようにでも、雲の上から見るような感じでも、感覚に合った感じで見てください。そして、その苦しんでいる状況を冷静に実況中継してみてください。

Step5

解決のアイデアや、何かアドバイスしたいことが浮かんだら、その位置から、その苦しんでいる自分に伝えてあげてください。

いかがでしたでしょうか?

Young woman looks up on light bulb on the background of blackboard, concept of new ideas

これが傍観者のように自分を見るやり方の一つの例です。これによって、事実とその思い込みを切り離すことができ、その苦しんでいる自分にまるで他人にするようなアドバイスができたりします。

時には、この状況の効果的な解決方法がひらめいたりするのようなことも起こってきます。これは、当事者から傍観者の立場になることによって、視野が開け、自分への客観性を増し、思い込みを超えた事実がたくさん見えてくるために起こってくることです。

潜在意識レベルでかわる

また、ステップ2で感じたような体の感覚(胸が苦しい、肩が重いなど)も変わってきていることに気づくでしょう。特に身体感覚の変化を感じたら、それは潜在意識レベルで思い込みが書き換わっている証拠です。なぜなら、潜在意識は体の感覚に直結しているからです。自分を傍観する習慣のメリットは、これまでに見えていなかった事実を知ることができるという面にもあります。

当事者意識の状態ばかり続くと、視界がどんどん狭くなり、事実を客観的に見られなくなります。このことにより、事実の見落としだけではなく、思い込みと事実の混同までが起こってきます。

傍観者の視点を持つ

人は、自分自身で体験したことですら、その事実の断片しか見えていません。例えば、同じものを見ても、ある人は「六角形で中心に丸い黒いものがある物体だった」と言い、ある人は「細長い物体だった」と言い、またある人は「とがった、先の黒い三角形の物体だった」ということがあるのです。これはあるものを、どの角度から見るかで、人の中に認識される事実が異なってくるということを表しています。当事者意識にはまると、断片の情報しか捕まえられないことが、しばしば起こってきます。これを傍観者的に俯瞰してみると、視野が広がることで、事実が分かり、それが鉛筆であるとわかるのです。

傍観することでストレスレベルが下がる

Cheered businessman climbing on top of Maze wall with wooden ladder and blue sky

このように、傍観者視点を持ち、さまざまな角度から出来事や事実を見ていくことが、思い込みという呪縛から抜け出すために非常に効果的と言えます。この視点を持つことを習慣化すると、日々のストレスレベルが下がり、起こっていることへの把握力が格段に上がります。

関連書籍のご案内

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。
 

今、あなたにオススメ