MENTAL

呼吸を整えると人間力まで高まる!自分の器の広げ方

 

呼吸を整える習慣が身に付くに伴って、動作だけでなく感情や精神までもが自然と整ってきます。
そういった日常の在り方が整うと、自分自身だけでなく、周囲の人たちにまでが変化が現れ始めます。
呼吸を整えることによって得られるものは、とても多いのです。

呼吸を整えて得られるものは身体感覚


人間には、本来動物として快・不快や、身体の些細な変化を、
身体感覚として察知する力が備わっているのですが、
現代人は思考優位になりすぎてしまい、その身体感覚を使う機会が減り続けています。
使う機会が減ってしまった身体感覚ですが、
呼吸を整えることによって意識的に使うことができます。

呼吸を整えることで得られる「落ち着き」「静」は、
単なる感情や気持ちではない身体感覚です。
身体感覚は、自分自身の変化を察知するだけでなく、
自分以外のものに対する観察力や洞察力、
そしてそれらから生まれる発想力のベースとなるものなのです。

思考優位になって、頭で理解しようとしがちな毎日ですが、
呼吸を整えることで、思考と本能をバランスよく使いこなせるようになります。

 

悩んでも悩まない?安心立命法


先が見えない現代社会に生きる私たちの、悩みは尽きることがありません。
けれども、悩みの渦中にあったとしても、泰然としていることは可能なのです。

呼吸を整えることで、安心を身体で感じられるようになります。
悩みの中にあっても、呼吸を整えることで得られる、「落ち着き」「静」の力で、
身体に余裕を取り戻すことができます。
それによって、精神に余裕が生まれ、感情が安定するのです。

感情が不安定だと、思考はネガティブになっていくものですが、
一度、その場を離れることでリセットされたという経験はないでしょうか?
一種の転地療法のようなものです。
気分転換には、旅行やスポーツを楽しむとよいのですが、
いつでもどこでもできる気分転換が、呼吸を整えることなのです。

とりあえず、思考面や感情面へのアプローチはいったん置いて、
呼吸を整えることに専念しましょう。
すると、身体の深い部分で「落ち着き」「静」が得られ、
思考による安心とは異なった、もっと本能的で根源的な安心が得られるのです。
この方法を日頃から習慣づけると、
悩みは悩みとして存在していても、悩みの渦に巻き込まれることはなくなってきます。

循環を滞らせると悩みが深くなる


呼吸が乱れ頭に血が昇った状態では、思考停止となり悩み事をとどめてしまします。
そこで、呼吸からのアプローチによって、根源的な身体の安心を得て、
思考も感情もうまく循環させる方法を身に付けておけば、
悩んでも悩まないという境地に至ることができるのです。

悩んでも大丈夫な人とそうでない人の違いはここにあります。
乱れてしまった感情や心を操作するのではなく、呼吸を整えるだけでいいのです。
呼吸を整えることに注意を払っていると、自然と精神面の変化も得られます
しかしこれは、無理に変えようとして変えていくものではなく、
自然に起こる現象なのです。
終わることのない循環である呼吸に連動して、
滞っていた精神と身体も循環を再開するからです。

人と人の間にも循環が起こる


人との関わりで大切なのは、相手の話に耳を傾けるということです
いわゆる傾聴ですが、ただ熱心に聞こうとすれば良いというものではありません。
聞く側が過剰に前のめりになっていると、
話す側はなんとなく気詰まりになって話しづらさを感じてしまいます。

このような時、聞く側の呼吸は「息が上がった」状態になっています。
呼吸状態は伝播し、循環するので、
話す側の呼吸も乱れてしまい、話しづらくなっていきます。
また、呼吸の乱れた人からは、落ち着きや信頼を感じられないものです。

この人を信用していいのか?
相談に乗ってくれるのか?

と、話す側は不信感を募らせ、ますます口を閉ざしてしまいます。

 

呼吸から分かる自分の器


呼吸を乱さないよう、日頃からチェックする習慣をつけておくと、
自分の状態を客観的に知ることができます。

たとえば食事のとき、食べ過ぎるとテキメンに呼吸のニュートラルから外れてしまします。
身体からの「もう無理」というメッセージが、呼吸に反映されているのです。

気象状況の変化も、呼吸に影響を与えます。
台風が接近しているときなどは、普段以上に呼吸に気を配って整えておけば、
未然に身体の不調を防ぐことができます。

キャパシティーを超える忙しさも、呼吸のニュートラルから外れてしまう要因です。
呼吸のニュートラルから自分の限界を見極めた上で、
少しずつ拡大できるようチャレンジしていくことで、
無理を重ねたり無謀なことをしたりということは減ってゆくのです。

呼吸を通して自分の器を知り、「自分なり」ということが分かるようになれば、
武道などでいうところの自然体の構えが身につきます。
ムリ・ムラ・ムダといったスキのない状態は、
最高のパフォーマンスを生み出す上でも、重要な要因です。

 

人間を形成するのは普段の在り方


日頃から呼吸を整えておくことで、普段の在り方が洗練されてゆきます。
呼吸を通して動作が整い、存在そのもの自体が整ってきます。

たとえ体裁を取り繕っていても、
ちょっとした動作や言葉などからその人の本質が見えてしまうもので、
それは隠しても隠しきれないものです。

思いやり、気遣い、慈しみといったものも、見せようとして意識的に行わずとも、
自分自身の在り方の延長線上から、自ずと現れてくるものなのです。

人間力というものは、自分自身の在り方が定まったところから表現されていくものと心得て、
日常の呼吸に現れる自分の本質と対峙しながら、存在としての自分を高めていくことです。

関連書籍のご案内

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。
 

今、あなたにオススメ