MENTAL

走って脳を鍛えるために。ランニング初心者が知っておくべき3つのこと

「走れば脳は強くなる」(著:重森健太)より

社会人になってからはじめるランニング

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忙しい社会人でも、あえてマラソンに挑戦する人が増えています。長い距離を走るためにはそれなりに準備が必要になりますが、時間をうまくつくれないという方も多いと思います。

そんなときにお勧めできるのが「通勤ラン」。
会社までの通勤を電車や車ではなく、あえて走っていくというものです。仕事がスーツでないといけなかったり、朝から汗を流すことで仕事に支障が出たり、通勤ランにも向き不向きの環境がありますが、運動習慣をつくる上ではかなり効率のよいトレーニング方法といえます。

たとえば、仕事から帰宅して走りに行くのはかなり意気込みが必要なことだと思います。ランニング用のウェアに着替えないといけませんし、仕事のストレスで疲れていたら走る気がなくなることもあると思います。

通勤ランの場合、走る以外に帰る手段がないので、走らないという選択肢自体がありません。「自宅に帰る」ことと「走る」ということを同じ土俵にのせ、「自宅に帰るために走る」という認識でランニングを強制化してしまうのです。

 

通勤ランのメリット

通勤ランを取り入れる一番のメリットは、この強制化にあります。「練習をサボりたくてもサボることができない」という状況に自分を追い込むのです。最初は疲れやすくなったり、億劫に思ったりするかもしれませんが、徐々に通勤ランが習慣化されれば、心地よささえ感じることは間違いありません。

ランニングを行う時間帯としては、朝が最も脂肪の燃焼効果が出ることが知られています。そのため、通勤ランで30分以上走って会社に向かうであれば、非効率的な時間帯に運動を行うことができます。

電車通勤のようにやることがないから仕方なしにスマホをいじるなど、時間を漫然と過ごすよりも、ランニングでリフレッシュした方が、よほど快適で気持ちいいのではないかと思います。

もちろん、社会人たるもの、付き合いで急な会食などが入ってしまって予定通りにかないことはままあります。
天気がランニングに適していない日もありますし、会社までの距離や仕事内容によっては、通勤ラン自体が難しいという場合もあるでしょう。そんなときは、できる範囲、無理のない設定で、走ることを生活の導線上に組み込むようにしてみてください。

まとめ
通勤ランは習慣化するのに最適な方法。
サボり癖のある人にこそオススメ!

Happy runner checking his training results on smartphone, lens flares

 

ソーシャルサポートで環境を整える

通勤ランを強制的にはじめてみても、自分一人の力で継続させるのはやはりかなりの意志が必要かと思います。家族や周りの人の理解や応援があると心強いです。できれば、周りの人を巻き込んでしまいましょう。

そのように社会的関係の中で受ける支援をソーシャルサポートと言い、健康行動の維持やストレスの影響を緩和する働きがあります。
なお、ソーシャルサポートは、その内容によって4つに分けることができます。

①遊具的サポート
運動施設まで車に乗せてあげる、父親に誕生日プレゼントとしてウォーキングマシンを買ってあげるといった形のある物やサービスを提供するサポートです。

②情報的サポート
関係のある情報を提供することで手助けすることです。例えば、友達にもうすぐ市民マラソンがあると知らせるとか、やる気を引き出すため使っているプログラムを友達に教えてあげるという支援です。

③情緒的サポート
情緒、つまり感情的なサポートです。相手を気遣い、その人が頑張って取り組んでいるかどうかを気にかけて知らせるというものです。友達に電話して「毎日運動するって言ってたけど続けてる?」と訊ねるような支援を言います。

④評価的サポート
運動をはじめた人にフィードバックと励ましを与えるというものです。例えばエアロビクスのインストラクターがクラスの生徒に「ここ数週間でずいぶん上手になったね」というのは、このサポートを与えていることになります。

このようにソーシャルサポートを家族、友人、同僚、インストラクターから受けられると、続ける際の大きな糧となるでしょう。

Portrait of happy parents piggybacking kids outdoors

 

ランニング、習慣化の罠を回避する

一方でランニングがすでに習慣化で来てる社会人のみなさん。
いつも同じペースで走っていないでしょうか?
生活のリズムを整えるとか体型を維持するという意味では問題ありませんが、脳への刺激という意味では実はこれでは残念ながら不十分なのです。

脳には、同じ刺激を受け続けるとその刺激に慣れてしまうという特徴があります。とくに脳の司令塔として集中力や注意力、発想力、判断力などを司る前頭葉は顕著で、その行為がルーティンワークになった時点でまったく反応しなくなります。
つまり、ひたすら同じペースでランニングを続けているだけでは、脳にとってはあまり意味がないのです。

Outdoor cross-country running in summer sunshine concept for exercising, fitness and healthy lifestyle

走りながら脳を効果的に鍛えていくためには、ルートに坂道を取り入れたり、足に重りをつけて走ったりと、適宜、走り方に変化をつけていく必要があります。
最も手っ取り早く確実なのは、スピードをあげることです。心拍数を意識し、運動強度60~80%に保つことで、脳機能UPが期待できます。

今後も身体にも脳にもよいランニングを、みなさんも続けていきましょう!

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