MENTAL

諦めないで。あなたの直感、鍛えられます

「はたらく人のコンディショニング事典」(著:岩崎一郎、松村和夏、渡部卓)より

 

「直感」とは何か

 

わたしたちは迷ったときによく直感で物を選びます。

どの服を買おうか迷った時。どちらのデザインにしようか迷った時。どのカードをひこうか迷った時。

しかし、そもそも「直観」とは何でしょうか。

man with a light bulb over his head

直感≠ひらめき

 

「直感」と似た言葉に「ひらめき」があります。しかし、脳科学的に見ればこの2つは似て非なるもの。

ひらめきは、その理由を論理的に説明できますが、直観は説明できる明確な根拠がありません。

「どうしてかわからないけれど、こちらが正しいとわかる」というような状態が、直観です。

こんなふうに言うと、直観なんてでたらめであてにならないものだと思う方もいるでしょう。

でも、直観は偶然ではないんです。

 

直感には理由がある

 

直感が偶然ではないことを示す最たる例が将棋です。

将棋のプロ棋士は、あらゆる局面の何手も先を読み、最善の一手を導き出しますが、これは単なるヤマ勘ではなく、長年の経験や知識に裏付けられたものです。

 

理化学研究所の脳科学総合研究センターが日本将棋連盟の協力のもとに行った実験からも、このことがわかります。

プロ棋士と、トップクラスのアマチュア棋士に詰将棋の 問題を解いてもらい、それぞれの脳活動をMRIで調べた結果、両者には決定的な違いがあったのです。

プロ棋士が次の一手を導き出す際には、知覚に関わる大脳皮質の楔前部と、直観的思考に関わる大脳基底核の尾状核の両方に相関性が見られたのに対し、アマチュア棋士の場合は楔前部と尾状核の間に特異な相関性は見られませんでした。

つまり、プロ棋士には、盤面を瞬時に判断して最善の一手を導き出す直観的思考のための神経回路があるのです。

 

プロ棋士の多くは、子どもの頃からおよそ10年間にわたって、毎日3〜4時間のトレ ーニングを受けていると言われています。

プロ棋士ならではの直観力を導き出す特別な回路は、こういった努力や経験がもととなって楔前部や尾状核などが鍛えられた結果と言えるでしょう。

直感は偶然によるものではなく、その人自身のこれまでの経験や知識によるものなのです。

 

Group of friends sitting together playing cards. Focus on playing cards in hands of a woman during a party.

直感力を鍛えよう

 

直観力は、鍛錬と経験の賜物です。

 今まで経験してきたことの中にも、直観力の源があるかもしれません。

これから年齢を重ね、様々な経験を積んでいくことで、もっと強くすることもできるはずです。

 物の見方や仕事へのとり組み方を意識し、直観力に磨きをかけましょう。

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