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アジア旅行の必需品は「クロックスと防寒具」?雨季も乾季も気をつけたい、アジアの気候事情

Written by 桐谷景子

日本では、先日、平成から令和に変わったばかりなのに、気がつけば、あっという間に夏を通り越して、秋本番。令和元年も残すところ3ヶ月を切りました。これから紅葉シーズンを迎え、そして、寒い寒い冬が来る。

四季がある日本では、徐々に季節が移り変わるさまも赴き深いものがありますが、日本の周辺にあるアジア諸国では、季節は2つ、「雨季」と「乾季」のみという国も多いです。

海外に出張する方や、旅行を計画している方は、出来るだけ快適な旅行を楽しみたいものですよね。そこで、今回は、出張や旅行に役立つ、天気に関する情報を元バックパッカーの気象予報士がお伝えしたいと思います。

アジア諸国に雨季・乾季があるのはなぜ?

日本人からすると、ちょっとなじみの薄い雨季と乾季、普段はほとんど意識をしませんが、出張や旅行となると、急に気になる存在になりますよね。

バリの寺院 タナロット(インドネシア)

では、なぜ、日本には四季があるのに、アジアの多くの地域は季節が2つなのでしょうか?

アジア諸国は、赤道に近い所に位置しているため、一年を通して、太陽からの強い日差しを受けて、暑くなります。

強い日差し、遮るものはなし。シーギリヤロック(スリランカ)

大陸と海洋は比熱(温まりやすさや冷めにくさ)が違うため、気圧配置が季節ごとに逆になり、吹く風の向きが逆になります。(季節によって吹く方向が違う風のことを「モンスーン」と呼びます。)

海上で水蒸気をたっぷり含んだ風が陸地に流れ込む時季は「雨季」。この風の向きが変わって、大陸から海に向かって流れ込むと、「乾季」になる。これが主なメカニズムです。(その中間の猛烈な暑さとなる時期を「暑季」と呼ぶ所もあります。)

基本的に、この雨季をもたらすモンスーンは南から北上するため、南にある地域ほど、雨季が早く、


・マレーシアのクアラルンプールやシンガポールは11月~2月頃

・インドネシアのバリ島などは11月~3月頃

・ベトナムのホーチミンやカンボジアは5月~11月頃

・タイのバンコクは6月~10月頃


となっています。

クアラルンプールの夜景。ペトロナスツインタワー(マレーシア)

一方、日本は、北極の寒気と熱帯の暖気の中間にあたる「中緯度帯」に位置しているため、「寒気の入りやすい時期が冬、暖気が入りやすい時期が夏、その間が春、秋」と季節が分かれるのです。

ちなみに、熱帯のモンスーンの影響を日本でも一部受けていて、それが、日本の梅雨にあたります。

 

雨季も乾季も雨具は必須!おすすめは「クロックス」

ところで、乾季=雨が降らないというイメージはありませんか?

実際、タイなど大陸にある国では、乾季は雨が降りにくいようですが、インドネシアなどの島国などでは、「雨季と比べて、比較的雨が少なく過ごしやすい」くらいというのが、実情です。

雨季も、一日中雨が降り続くことはまれで、ザッと激しく降って止む地域が多いです。

インドネシアのスコール

バリ島のスコール(インドネシア)

そのため、どの季節に訪れても必須なのが、雨具。折りたたみ傘やカッパなどが代表格ですが、実は基本装備だけでは足りないんです。

なぜなら、大都会の都市部を除いて、まだまだアスファルトが整備されていない地域も多く、雨が降るとぬかるんで、泥まみれになってしまうことがしばしばあるため。アスファルトがあったとしても、ガタガタに割れていたり、排水がうまくいかない場合は、南国の激しいスコールによって、道路があっという間に冠水することも日常茶飯事です。

そのため、雨具はもちろん、濡れても大丈夫な「クロックス」などのサンダルがあると、お気に入りの靴が泥まみれにならずに済みます。

[クロックス] サンダル クロックバンド クロッグ 11016(定番品)

仕事で行かれる方は、道路が冠水した時のためにズボンを多めに持参する。大事な仕事道具のPCが雨に濡れてダメにならないように、撥水加工のカバンを用意するなど対策をすると仕事に大きな影響が出にくいと思います。

 

暑い地域・時季でも防寒具やカイロを

そして、2点目は暑さと寒さ。

インドなどでは、最も暑い時季の5月頃は、熱波で50℃近くまで気温が上がり、毎年のように死者が出るなど、命に係わる暑さになることもあります。

真っ青な青空で厳しい暑さ。インドの秘境・スピッティ地方カザのモネストリー(修道院)(インド)

そのため、最大の暑さ対策をすることが重要で、薄手の服や帽子、体を冷やすスプレーはもちろん、日焼け止め、虫さされの薬などをお持ちになる方は多いと思います。

 

ただ、アジアでも防寒具が必要なくらい寒くなることもあるんです。

例えば、雨の後や夜間は、気温がぐっと下がる所もありますし、標高の高い所に行けば、南国でもかなり寒いです。

南国でも山は雪。5000m級の山々が連なるインド (インド)

山の上の方では、雪が降ることもあります。

雪だるま作りました

更に冷房がステータスとなっている国では、室内がキンキンに冷やされていることも多く、外との温度差も激しいため、体調を壊しやすいもの。

どんなに暑い地域に行くときでも、羽織るものやストールなど、防寒出来るものがひとつでもあると快適さが全然違います。

また、風邪などを引いた時のために、常備薬やカイロ、ティッシュやウェットティッシュ、冷えピタなどもあると重宝します。(海外の薬は日本人には強すぎることも多いため。カイロなどは使わなければ現地の人にプレゼントすると喜ばれます。)

 

怖いのは水だけじゃない!「アジア旅行×ペットボトル×食中毒」に注意

そして、最後に、お水について。

現地のお水を飲むとお腹を壊しやすいことは有名なので、水道水や飲み物に入っている氷、野菜や果物にも気を使っている方は多いと思いますが、見落としがちなのが、ペットボトルの飲み物です。

直に口をつけたペットボトルを暑い中ずっと持ち続けると、菌が繁殖して、最悪の場合、食中毒を起こすことがあります。

特に気温が30℃位の時は最も菌が繁殖しやすく、口をつけた麦茶では、24時間後には、細菌数が約50倍に増えるそうです。

インド版正露丸

強い味方!? インド版正露丸

海外で麦茶を飲むことはまれだと思いますが、牛乳成分の入ったコーヒーや紅茶も細菌の増殖率が高く要注意です。

 

気候に合わせた対策で、快適なアジア旅行を!

海外に行く時は、楽しい気持ちがある反面、馴染みのない環境や食生活など、不安も沢山あると思います。このコラムを読んで、その不安が少しでも軽くなれば、嬉しいです。

聖なる山スリーパーダ。毛布をかぶり待っているものは……(スリランカ)

美しい日の出(スリランカ)

出発前に、対策を練って、快適な旅行、出張を!

 

About the author

桐谷景子 

気象予報士・健康気象アドバイザー

小さい頃の夢はイギリス留学。23歳の時、何か資格を取ろうと一念発起。生涯学習の講座がきっかけで、それまで無縁だった天気の面白さに気付き、気象予報士取得のため勉強を始める。持ち前の負けん気で、1年半後に無事資格を取得。その後、ウェザーマップの気象予報士として気象の現場で働きつつ天気への理解を深めるも、2014年、昔からの夢を忘れられず約15キロのバックパックを担いで世界半周の旅に出る。
2015年、再びウェザーマップの気象予報士として活動を再開し、活躍の場を広げている。

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