FOOD

オクラのネバネバで、ストレス発散! 修羅の国ナイジェリア。

世界中をめぐる著者が、現地の健康情報を毎週お届けします。

 

誰にも褒められませんが、世界一周12年。

あと18年で、世界一の旅人イブン・バトゥータを抜く勢いです。
老後のささやかな妄想は、アルゼンチンかチリに別荘を建てること。
根拠のない資金計画と釘すら打ったことのない匠の技ですが、ウォーターフロントにセルフビルドを狙っています。

アフリカは、ほとんど渡航中止地域。

外務省のホームページに、海外の安全度を色分けした地図があります(リンク先はこちら)。
安全の色は、白。
レモン色の箇所の意味は、十分注意してください。
少し濃くなった黄色は、不要不急の渡航は止めてください。
オレンジ色は、渡航は止めてください(渡航中止勧告)。
そして真っ赤が、退避してください(退避勧告)。
ひと目で危険度がわかる地図です。
多くの人が危険だと怖がる南米を見てみると、ほぼ白。意外です。
わずかにシミやカビのように、レモン色があるだけ。危険な目に遭うのが難しそうなくらい、安全そうです。
一方、筆者がウロついているアフリカは、超華やか。お花畑。仕事の終えた塗り絵帳状態。
マリなんか、ほかの旅人がススメてくれるもので、ぐいぐいと遠慮なく田舎を攻め込んだものですが、半分以上が赤。国連軍に止められたので血塗られた大地は避けましたが、それでも渡航中止地域。
よくこんなところをドライブしたもので、無智より怖いものはないと、情弱なりに感心しております。

アフリカの子供は、おしなべてお金を請求してきますが、不思議とナイジェリアの子供はおとなしいです。

アフリカの子供は、おしなべてお金を請求してきますが、不思議とナイジェリアの子供はおとなしいです。

官民が一体となった、検問ワールド。

よく、世界のうざい三大民族にエジプト人、ベルベル人、インド人が挙げられますが、彼らより遥かに強靭なメンタリティを持つフランス人に危険だと言わしめる国に突入しました。
修羅の国、ナイジェリアです。
異常に検問が多いです。
警察にとどまらず、軍、税関、入国管理局、道路パトロール、そのほか意味不明の団体さんまで、各種取り揃えた検問博物館とも言える道路。
危険だから検問が多いのか、検問が多いから安全になったのかはわかりませんが、これだけは言えます。
ちっとも安心して走れません。
むしろ身の危険を感じなくもない……、というか財布が危険です。
彼らの仕事はパスポートチェックや荷物検査ですが、どうやら自らの給料を稼がねばならぬ歩合制。検問の名を借りた集金活動に忙しく、生活がかかった仕事ぶりです。
決まり文句は、
「お土産はナニ?」
「日本からナニを持って来たの?」
目でまさぐるように、車を覗かれます。
現金主義な連中は、
「金、金っ!」
これで勘弁してくださいと、バナナを差し出したら怒られました。
挨拶もそこそこに怒鳴ってくる半グレ軍団は、
「右ハンドルは違反じゃ! 罰金を払えっ!」
一週間も歯痛が続いているような凶悪な顔で、パスポートを没収するのです。
埼玉あたりのオヤジ狩りより遥かに怖い、黒人のカツアゲ。
右ハンドルは違反じゃないので、詐欺でもあります。

検問はできるだけ素知らぬフリして通り過ぎたいのですが、停止指示を無視すると、釘を打ち付けた板で通せんぼするほどの本気度。
制服を着た連中以外にも、Tシャツとジーンズの職員までいるトラップ感が、ホント余計です。
大きな声で呼び止められてご挨拶を申し上げれば、単なる物売りだったり、あるいはヒッチハイクだったり。
官民一体の検問ワールドなのです。
コンマ1秒も気が抜けず、全身にストレスが蔓延。
お尻を拭き忘れたようなマンジリともしない日々が、ナイジェリアなのです。

団子は酸っぱく、スープは少々辛く、ネバネバの猥褻感。

胃の腑に溜まったストレスの塊を解消してくれたのが、オクラ。
オクラは、アフリカ原産です。
2000年も前からエジプトで栽培されている、人類の母なる野菜。
暑さや乾燥に強く、45日で収穫でき、アフリカ産は太くて逞しいです。
軽く茹でてから刻み、醤油をかけて食べています。
インスタントラーメンのトッピングにも最適ですが、食堂でオクラスープなるものを発見し、以後、ほぼ毎日このスープ。
オクラは「オクロ」と発音し、オクロスープはアフリカの郷土料理です。
セネガルやマリでは「スープ・カンジャ」と呼ばれ、「カンジャ」はウォロフ語で「オクラ」。
奴隷が広めたのか、アメリカの南部では「チキンガンボ」。
「ガンボ」とはフランス語の「gombo(オクラ)」が、英語訛りしたものです。
あのサイモンとガーファンクルのポールサイモンが、「チキンガンボを作ろう」と歌うぐらい有名な料理です。

便秘・下痢、夏バテを防止。

オクラスープのレシピは、各地で微妙に違います。
基本は、ヤギ、牛、乾燥魚等、好きなもので出汁をとり、細かく刻んだオクラをヤシ油と水で煮るだけ。
沸騰すると、ネバネバ感が半端ないです。
具には魚やチキン、牛となんでもあり。
カメルーンでは、カニが丸ごと入ってました。
キャッサバという芋の団子を手で丸め、オクラスープにつけて食べるのが、ご当地流。
団子は酸っぱく、スープは少々辛く、ネバネバの猥褻感で食欲倍増なのです。

栄養のほどは、オクラの粘り気は食物繊維。
ペクチン、アラピン、ガラクタンが、コレステロールを減らします。
ムチンは胃液から胃を守り、ペクチンとムチンは血糖値を下げ、糖尿病の予防します。
ビタミンAを筆頭にミネラルが豊富なので、夏バテを防止。
整腸作用が、便秘・下痢に効きます。

 

 

今日の検問は、強烈でした。
消化器不携帯という罪状で、罰金18000円!
「どこの誰が消化器を持ち歩いてるんですか!」
抗議したものの、聞く耳はゼロ。
もっともらしい書類を振りかざしていますが、書類の写真は撮らせてくれません。
大使館に確認したいと言ったら、電話は禁止。
休む間もなく怒鳴り続ける輩と、何気なくそばに立っているだけのライフルをぶら下げた軍人。
バナナじゃ許してくれそうもなく、絶体絶命のピンチ。
「お金がないのです!」
この一言を連発し、オクラのごとく粘ってみます。

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)
デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。