FOOD

マラリアに追いつくガーナ人。 意外に平凡な食事療法。

世界中をめぐる著者が、現地の健康情報を毎週お届けします。

ローマ帝国を滅ぼしたマラリア。

世界一周に出て、12年。
スマホのアプリのお陰で道に迷わなくなったものの、脱線した人生は完全に迷子っています。
軽自動車で、南アフリカを目指して南下中。
東京オリンピックが終わったころには、一時帰国したいものです。

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マラリア検査キット。針で指を刺し、スポイトで採血。陰性でした。

身近なモノこそ、ナニよりも危険だったりする意外な世の中。
有史上、もっとも多くヒトを殺している殺人者は、たった今、読者の足をチクっと刺しているかもしれない、蚊です。
武器は、マラリア原虫。
人類が誕生した以降、マラリアは死亡原因の第1位と言われ、ローマ帝国を滅ぼした容疑者のひとりです。
今でも1年間に2億人以上がマラリアに罹り、43万人以上が死亡。
その患者の88%、死亡者の90%が、サハラ砂漠より南のアフリカにかたまっています。
つまりこの原稿を書いているガーナの首都アクラは、完全にストライクゾーン。
しかし部屋に蚊帳がなく、窓の網戸が破れ、命がけで蚊に刺される日々です。

パイナップルの皮のスープ。

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あまりにも無防備な猟師。蚊対策ゼロ。見ているだけで、痒くなります。

ガーナの平均寿命は62歳と若く、死亡原因の第3位がマラリア。
本気で怖いなら、かゆみ止めを塗るより予防薬を飲むべきですが、病気より辛いという激しい副作用。
命より安い費用を惜しんで、なかなか飲む気になれません。
その一方、蚊は殺虫剤に倒されながらも攻略法に余念がなく、耐性を身につけたニュータイプが続々誕生しています。
マラリア原虫もまた弛まぬ努力を続け、薬剤耐性がパワーアップ。
彼らのコラボは、遺伝子レベル。我が家は戦わずして感染した気分ですが、地元のガーナ人は免疫を獲得し、秘伝のスープで対抗。
パイナップルの皮を煮てライムを絞って食べれば、マラリアを撃退できるそうです。
なんとも怪しげな食事療法ですが、パイナップルには利尿効果と解毒作用があり、ブロメラインという酵素が消化機能を改善。腸内の寄生虫に効くというから、あながちバカにしたものではありません。
ちなみに、風邪には生姜スープにライムを搾ります。

世界中で猛威を振るうマラリア。
食事療法の代表格は、茹でたグレープフルーツを濾したもの。
毎日飲めば、キニーネに似た物質がマラリアを退治してくれます。
そのほかシナモン、ライム、レモン、ミョウバン、ホーリーバジルも効きます。
意外にもオレンジジュースが効果的です。
そのひとつに、オレンジジュースと水だけで、2、3日の断食。
マラリアに対する理想的な食事は、肝臓や腎臓、消化器系を強めて、免疫力を高めることです。
つまり、新鮮なフルーツや生野菜をたくさん食べ、牛乳を飲むこと。
それでいいの?って感じですが、平凡な食べ物こそ、ナニよりも効果があるようです。

(マラリア関連情報は次の記事を参考にしました。→8 Best Natural Remedies to Treat Malaria

 

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)
デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。