FOOD

生玉ねぎで、精力増進!子だくさんのコートジボワール。

世界中をめぐる著者が、現地の健康情報を毎週お届けします。

 

12年も世界一周をしていながら、制覇した国・地域はいまだ半分と少々。

スローライフのノマドです。
去年の冬から、軽自動車でアフリカを漂っております。
目先の目標は、雨季に巻き込まれる前に赤道越え。
こっちの水たまりはちょっとした池くらいあったりするので、シャレにならないのです。

流れ流れて、西アフリカのコートジボワールにたどり着きました。
アフリカもこの辺りまで下ると、やっとイスラム教色が薄くなり、バーが目につきます。
青空バーで、冷えたビールをぐいぐいっと飲む幸せな日々。
酒の肴は、路傍の焼肉屋。粗末なカマドですが、鉄板焼きです。
一口サイズに切り分けたヤギの肉が、一皿200円。
付け合わせは、唐辛子と生玉ねぎ。
この生玉ねぎこそが、コートジボワールのスタミナ源であり、子だくさんの素なのです。

厄除け効果のあるスタミナ食、玉ねぎ。DSC_6704

21世紀とはいえ、さすがアフリカ。
青空バーは、蝿の襲来が半端ないです。
油断すると蝿の王がビールで泳ぎ、肉のトッピングとして一緒に食べかねません。
ただでさえ衛生的に心もとない屋台の肉。蝿のばい菌力と飛来数と爆撃力。
食中毒を心配しただけで腹が下りそうな筆者ですが、付け合わせが胃腸とカラダを守ってくれます。
生玉ねぎの殺菌力は、大腸菌やサルモネラ菌を退治するにとどまらず、数分も噛み続けると(溶けてなくなるような気がしますが……)口の中がキレイに滅菌されるとか、解毒力が肉類の腐敗を防ぐとか、どこまで信じていいのかわからない実力を秘めています。
また玉ねぎにはスタミナ源としてのパワーもあり、その歴史は紀元前3000年のエジプト。ピラミッドを建てたのは、玉ねぎを食べていた労働者だったのです。
しかもミイラの眼窩には、玉ねぎの詰め合わせ。根拠はゼロながら断言すると、その効能は眼精疲労とみました。
中世ヨーロッパでは魔除けとされた玉ねぎですから、年男には厄除け効果が期待できます。
日本に玉ねぎが伝わった当初は、どう勘違いしたのか観賞用として栽培したものですが、明治以降になって、コレラに効くと勘違いを重ね、食べ物として広まります。

5人兄弟。世界第20位の子だくさん。

万能薬とも言われる、栄養豊富な玉ねぎ。
血圧を下げ、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防し、食欲増進、疲労回復、脂肪燃焼の三冠王を獲得します。
豊富なビタミンAは精子の生成に欠かせず、ビタミンB1は副交感神経を活発にして性の煩悩を刺激。
そのためインドの僧侶には、無駄な精力がつかぬよう、玉ねぎは禁断の野菜なのです。
日本の禅寺へ行くと、「葷酒不許入」の文字。
葷(くん)とは、玉ねぎ等の精のつく野菜のことで、寺では性欲を持て余しますから、持ちいるべからずなのです。
そして、肴の主役であるヤギ肉。
何千ミリリットルだか知りませんが、タウリン配合。
これまた精力をアップするわけで、ヤギ肉と生玉ねぎの相乗効果で、コートジボワールは平均5人兄弟。世界第20位の子だくさん。
人知れず、励んでおるのです。
ちなみに生玉ねぎを毎日食べると、体臭やおならが臭くなるので、ご注意ください。

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)
デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。

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