FOOD

「ビールで太る」は嘘?騙されるな!体に関する都市伝説20

世界中を巡る著者が、現地の健康トレンドを毎週お届けします。

 

「にんじんが目にいい」は、イギリス空軍のデマだった。

young pretty woman with her hand on chin looking up at a painted carrot tied to a branch. Concrete background. Front view. Concept of reward.

「にんじんを食べなさい。目にいいから」。

子供のころ幾度となく母から言われたセリフですが、母さん、あれはデマでした。

にんじんが目に効く話は、レーダーの発明を隠そうとしたイギリス空軍の策略です。

夜間の視力をあげるためにパイロットは毎日ニンジンを食べているとデマを飛ばしたのが、都市伝説化したのです。

 

目に関する伝説をもうひとつ。

「暗いところで本を読むと目が悪くなる」は、迷信です。

暗い場所では、目の焦点が合いにくくなります。目が悪くなった気がしますが、ただの眼精疲労。暗いからといって、近眼にはなりません。

 

「卵は1日1個まで」と聞いたことはありませんか?

100年以上前の実験が、噂の元です。

ロシアの科学者がうさぎに卵を食べさせたところ、確かにコレステロール値は上がりました。しかし、そもそもうさぎは草食動物なので卵を食べません。体質に合わないだけです。
研究結果は雑食の人間にはあてはまらないのに、都市伝説化したのです。
1日に卵を2~3個食べても、コレステロールに影響はありません。

 

「焦げたものを食べるとガンになる」。

あながち間違いではありませんが、正確とも言えません。

魚や肉のタンパク質は焼けると発ガン性物質をつくり出しますが、少量では影響はありません。
お焦げを食べてガンになるには、体重60kgの人が毎日1t以上食べないとならない計算です。
食べ過ぎで死にます。

 

流行のダイエットも都市伝説だった!

昔からまことしやかに伝わる健康法。

日々、耳にする新しいダイエット法。

もっともらしい話のなかに、誤報や迷信、根拠のない都市伝説、企業のデマが潜んでいます。

やっかいなことに、都市伝説を否定した新説が正しいとも限らず、新たな都市伝説として広がります。

健康を目指して病気になった……、ではシャレになりません。

健康と美容は、正しい知識から!

yes and no balance concept isolate on white 3d render

牛乳は骨を丈夫にしない!

牛乳をたくさん飲めば、骨折しにくい。
そう思っていませんか?
逆です。
世界保健機関によると、カルシウムの摂取量が多い国は骨折が多く、これを「カルシウムパラドックス」と呼びます。
牛乳を多く飲むノルウェー人の骨折率は、日本の5倍!
カルシウムを大量に摂取しても、骨は丈夫にならないのです。

高脂肪を避けて、カラダに良い低脂肪食品!

迷信です。
低脂肪食品を続けるより、高脂肪食品を上手に食べたほうが健康的に痩せられます。
アメリカの統計に、低脂肪ダイエットによって逆に肥満が増えたという報告があります。
脳の世界的権威は、低脂肪な食事を続けると、うつ病やアルツハイマー型認知症が増えリスクが多くなると警告します。
一方、カロリーが高いからと敬遠される高脂肪食品ですが、体重を増やしたり糖尿病を誘発する原因にはなりません。
肥満や病気の原因は、調理するときに添加する砂糖や人工的な油です。
高脂肪であっても、血糖値を上げず、ダイエットに効果があります。

グルテンフリーで、健康的に痩せられる!

ハリウッド女優やテニスプレーヤーが減量に成功した、「グルテンフリーダイエット」。
日本でも有名になりましたが、実は科学的な根拠はありません。
グルテン除去食は、小麦やライ麦に含まれる「グルテン」を食べると体調が悪くなる人向けの食品です。
セリアック病やグルテン過敏症の人には、有効なダイエット法になるかもしれませんが、健康な人には向きません。
グルテンもまた、大切な栄養なのです。

残念ですが、部分痩せは不可能!

腹筋をして、お腹の肉を落とす。
二の腕のマッサージで、腕だけ細くする。
太ももの贅肉だけ落とす、小顔にする。
セルライトだけ、減らす。
残念ですが、すべて無理です。不可能です。
脂肪を分解するアドレナリンや成長ホルモンは脳の命令で分泌されますが、その効果はカラダ全体に広がります。
部分指定はできないのです。

宿便をデトックス!

本来、宿便とは便秘で溜まった便のことを指します。
つまり単なる便秘です。
美容や健康関係では、宿便なるものが長いあいだ腸にこびりついていると脅しますが、そんなものは存在しません。
疑似科学の類いです。

マイナスイオンは、健康や美容に良い!

マイナスイオンは、化学用語ではありません。
商品を売りたいがための造語で、『ニセ化学』の代表と呼ばれています。
マイナスイオンが健康に良いとする根拠はありません。
また各商品から発生するイオンの量も、ダムの中に目薬を一滴垂らしたほど少なく、その寿命も長くて1秒ほどしかありません。
カラダに届かないのです。

トルマリンは健康に良い!

嘘です。
トルマリンは置いてあるだけでは、電気を発生しません。
前述したように、マイナスイオンの健康への効果は証明されていません。

コラーゲンは、肌に良い!

これもまた、デマです。
コラーゲンを食べても、消化されて排出されるだけです。
肌がぷるぷるになることはありません。
肌に塗ったとしても、コラーゲンは分子が大きいため、肌の奥にしみこみません。
仮に浸透したとしても、カラダは異物を受け付けないので、皮膚に定着しないのです。

 

間違っていて嬉しい都市伝説があります!

Portrait of a funny girl drinking trough a straw

20分以上運動しないと、脂肪は燃焼しない!

喜んでください、都市伝説です。
5分でも10分でも運動すれば、脂肪は燃焼されます。
科学的に証明されているので、スキマ時間に運動を!

スポーツマンが運動をやめると、筋肉は脂肪に変わる!

ご安心ください、デマです。
筋肉は脂肪に変化しません。
太るのは、運動しなくなっても食事量を減らさない人です。
消費カロリーを減らしたら、摂取カロリーも減らすこと。

炭酸ジュースの飲み過ぎで、歯が溶ける!

絶対に溶けないとは言いませんが、ほぼ影響はありません。
炭酸飲料は酸性で、PH5.5くらいです。
歯のエナメル質はPH5.5以下で溶け始めますが、微量なので問題ありません。
ちなみに炭酸飲料より酸性度の高い食べ物がたくさんあります。
ワイン、ヨーグルト、野菜ジュース、りんご、スポーツドリンク、レモン、梅干し。
数値的には、これらのほうが歯を溶かしそうですね。

 

間違ってて嬉しい「太る」に関する都市伝説5!

Friends having a round of drinks

肉を食べたら、太る!

立派な都市伝説です。
肉に含まれるLカルニチンは、脂肪燃焼をうながす働きがあります。
逆に、体内の脂肪を燃やしてくれます。

ビールを飲むと、太る!

太りません。
ビールは、肥満の原因ではありません。
ビールのカロリーの3分の2は、アルコール。
アルコールは熱エネルギーになり、脂肪にはなりません。
残りの3分の1のカロリーは、糖質です。
350mlの缶ビール4本で、ご飯一杯分しかありません。
晩酌で太るとすれば、原因は肴ですね。

寝る前の食事は、太る!

迷信です。
いつ食事をしても、太る原因にはなりません。
食べ物は消化されるまでに時間がかかるので、寝ている間に脂肪にはなりません。
食事時間より、食べる量が問題です。

水の飲み過ぎは、太る!

水は0カロリーなので、いくら飲んでも太りません。
一時的にお腹が膨らむだけです。

禁煙したら、太る!

禁煙しても脂肪は増えません。
健康になります。
もし太ったとしたら、「禁煙 → 口が寂しい → 間食が増える → 太る」の悪循環でしょう。

 

以上、健康と美容にまつわる都市伝説でした。
信じるものは救われると言いますが、調べるものは救われる……、のです。
健康と美容は、正しい知識から!

 

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)
デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。