FOOD

“よい脂肪”をとっていますか? 脂肪には種類があるんです!

「疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事」(著:柴崎真木)より

Pieces of softly smoked pork lard on a wood, close-up

“脂肪”には種類がある!

 “脂肪”には種類があるのをご存知でしょうか?脂肪は、下の図のように、大きく分けると、「飽和脂肪酸」、「一価不飽和脂肪酸」、「多価不飽和脂肪酸」の3つの種類に分類されます。

脂肪の種類

 

飽和脂肪酸のとりすぎは生活習慣病の元

この中の“飽和脂肪酸”という肉やバターなどの動物性脂肪に多く含まれる種類の脂肪は、摂取量が多くなると血液中のコレステロールを増やします。飽和脂肪酸は、体内のホルモンの材料になったり、身体を構成している細胞の細胞膜の材料になったりしますから、身体にとって必要なものであり、悪い脂肪というのは少し語弊があるかもしれません。しかし、過剰になると血流が悪くなり栄養素を身体の隅々まで運べなくなるため疲労回復しにくくなります。飽和脂肪酸の摂取過剰が長期にわたると動脈硬化をすすめ、脳梗塞や心疾患の原因になります。

飽和脂肪酸を多く含むものをあえてとることをしなくても、脂身の少ない肉や乳製品を適量食べていれば十分に必要量をとることができます。焼肉のカルビやトントロ、背脂たっぷりのラーメン、カレーをよく食べる人、バターたっぷりのクロワッサンやデニッシュ、ケーキやクッキーなどの洋菓子が食事代わりになってしまう人、お水代わりに牛乳を飲んでいる人は要注意です。

 

悪い脂肪「トランス脂肪酸」の含有量に注意

またパンやお菓子、カレールウなどに使われるショートニングやファットスプレット、調理用植物油の一部には、トランス脂肪酸といわれる不飽和脂肪酸が変性したものが含まれます。トランス脂肪酸のとりすぎはコレステロールの増加、体内の炎症の促進、糖尿病や肥満との関連が懸念されています。外食や加工食品をとることが多い人や、洋菓子、菓子パンを食べることが多い人は、トランス脂肪酸の摂取量が多くなる傾向にあります。

pan-fried bun

例えば、菓子パンの原材料表示には次のようなものがあります。

【原材料名】小麦粉、砂糖、ファットスプレッド、ショートニング、卵、パン酵母、動物油脂、小麦たん白、加糖れん乳、食塩、果糖ぶどう糖液糖、ホエイパウダー(乳製品) 、脱脂大豆粉、脱脂粉乳、ソルビトール、香料、乳化剤、膨張剤、イーストフード、着色料、カロチノイド(ビタミンC)

びっくりしますよね。このようにファットスプレット、ショートニング、動物油脂が含まれているものをいくつも食べたり、頻繁に食べることは控えたほうがよいでしょう。市販の製品を購入するときは原材料表示を確認するようにしましょう。原材料名は含有量が多いものから順に記載されています。またパンにつけるマーガリンも植物油脂でヘルシーなイメージがありますが、トランス脂肪酸を多く含むため、バターを使うようにしたほうがよいでしょう。ただし、バターも脂肪であることに変わりありませんから、とりすぎには注意が必要です。

 

よい脂肪は不飽和脂肪酸

植物性油脂や魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。

一価不飽和脂肪酸のうち代表的なオレイン酸はオリーブオイルや紅花油、アーモンドなどに多く含まれます。オレイン酸はコレステロールを減少させ、動脈硬化を予防したり、腸の働きを整えたりします。体内でも合成できるため、積極的にとるほどではありませんが、酸化しにくいので加熱調理に使うとよいでしょう。特に便秘気味のときに役立ちます。

多価不飽和脂肪酸は、さらにn‐6系脂肪酸とn‐3系脂肪酸に分類されます。n-6系脂肪酸にはリノール酸やアラキドン酸などがあり、体内で合成できない必須脂肪酸です。ただし、アラキドン酸は体内でリノール酸から合成することができます。リノール酸はコレステロールを減少させる働きがありますが、とりすぎると余分なコレステロールを回収する善玉コレステロールまで減少させてしまうため、注意が必要です。アラキドン酸は、血小板の凝固や免疫機能などにかかわりますが、とりすぎると動脈硬化を促進したり、炎症を悪化させる可能性があります、リノール酸は家庭で調理によく使われるコーン油、大豆油、サラダ油、グレープシードオイルなどに多く含まれます。

揚げ物、炒め物、ドレッシングなどの調味料、スナック菓子を多く食べる人には特にn-6系脂肪酸の摂取量が多くなります。怪我をしにくい質のよい筋肉をつけることが重要なアスリートは、サラダを食べるときも、ドレッシングも市販のものでなく、アマニ油やしそ油とバルサミコ酢やビネガーを使ったり、青魚を好んで食べたりします。

n-3系脂肪酸には、魚の油に多く含まれるEPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、アマニ油やしそ油に多く含まれるα-リノレン酸があり、これらも体内で合成することのできない必須脂肪酸です。n-3系脂肪酸は、血流を改善したり、脳や神経細胞を活性化する働きがあります。また、体内の炎症を抑え、アレルギーを予防したり、睡眠の質を高めることにも役立ちます。花粉症やアレルギーはストレスになりますし、睡眠が十分とれないことは疲労がたまりやすくなります。

n-3系脂肪酸は酸化しやすいので  、アマニ油やしそ油は加熱しないでそのまま使うこと、遮光性の高いボトルに入ったものを選び、冷蔵庫で保管することや早めに使い切れる小さめのサイズを選ぶことがポイントです。魚は刺身で食べるのが一番ですが、焼いたり煮たりしたものでも週2-3回とるとよいでしょう。

少し細かかったかもしれませんが、脂肪の種類に注意して、食事を摂取したいものですね。

関連書籍のご案内

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。