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【簡単】完全栄養食!卵ソムリエ直伝「納豆生オムレツ」を作ってみた|パレオと卵に聞いてみた(前編)

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Written by 鈴木祐

ベストセラー『最高の体調』著者にして、年に5000本の科学論文を読み続けるサイエンスライター・鈴木祐さんに質問する本連載。今回はゲストを迎えた特別企画「パレオと卵に聞いてみた(前編)」をお送りします。
ゲストは「卵のスペシャリスト」としてテレビや動画等で活躍する“たまごソムリエ”友加里さん。完全栄養食と名高い注目食材「卵」に、科学的知見と美味しさの両面から切り込みます。
今回は卵ソムリエ考案の簡単栄養レシピを2人が実際に調理。「コンビニ商品&電子レンジだけでOK」な「納豆生オムレツ」の味は……?

 

——8月某日。ビジネスライフ編集部にあらわれた2人の姿は対照的だった。

ブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介するサイエンスライター・鈴木祐さんは、リュックから靴にいたるまで黒一色の出で立ち。

対するゲストのたまごソムリエ友加里さんはというと、白いシャツと黄色いスカートという「たまごカラー」の装い。イヤリングやスマホケースにいたるまで「目玉焼きモチーフ」という徹底ぶりだ。

「たまごソムリエ」と調理師の資格を持つ友加里さんは、これまで卵の魅力を引き出す料理を次々に考案してきた。テレビや書籍youtubeクックパッドなどで発信するレシピは「簡単で美味しい」と評判だ。

鈴木さんも卵を「ダイエットフード・アンチエイジングフード」と高く評価する1人。今回の対談では卵を健康面・料理面から存分に語りあってもらった。

 

たまごソムリエになるきっかけは「味」

 

 

——鈴木さんはたまごソムリエ友加里さんにどうしても聞いてみたいことがあったという。

 

鈴木:なぜたまごソムリエになる道を選んだんですか? この道一本でやっていくにはガッツが必要だと思うんです。

 

友加里:以前は美容師をやっていたんですが、体調を崩してしまったことがあって。そこでお医者さんに「たんぱく質がたりていないから、一日2個卵を食べるといいよ」って勧められたんです。すると劇的に体調が改善して、「卵、すごい!」と。そこから卵の本とか買って色々勉強始めたら卵中毒になってしまいました。

 

鈴木:卵のどういうところにハマったんでしょう?

 

友加里単純に、おいしいところですね。

 

鈴木:それはそうですね!(笑)

 

友加里:私ははじめ、栄養の知識というよりは卵の味だけに惹きつけられたんです。

体調を崩すまで、その存在を意識してなかった。でも「卵、めっちゃおいしいじゃん!」と思ったら止まりませんでした。

その勢いで卵を勧めていたら、私と出会った人がみんな卵を意識するようになって。

 

鈴木完全に布教活動ですね……。

でも確かに、卵って奥が深いですよね。幅が広い。

 

——ゆで卵、目玉焼き、卵焼き、オムレツ、茶碗蒸し……。卵には様々な調理法が開かれている。また良質なタンパク質やミネラル、ビタミンが豊富に含まれることから、その栄養価も注目を集めている。

 

【卵の栄養(Mサイズ/60g)】

・60g (1個)…91kcal

・糖質…0.18グラム

・食物繊維…0グラム

・脂質…6.18グラム

・たんぱく質…7.38グラム

・その他の栄養素…ビオチン・ビタミンB2・ビタミンB12・セレン等

 

友加里:料理や健康面はもちろん、美容にも卵はいいんです。卵殻膜を使った化粧水とか。昔はお相撲さんが傷口に卵殻膜を貼っていたという話もあります。私も手を洗うのに卵殻膜を使って、手がつるっとしたと感じました。

 

卵は一日何個まで?

 

友加里:卵の研究データはとても多いですよね。一日に何個も食べると病気になる、という「卵危険説」もありますが、どのデータを信じればいいんでしょうか。

 

鈴木:研究レベルが甘いんで、卵の危険性について断言できる人はいないと思います。安全策をとるなら、「1日1個」が確実ですね。

ただ、「卵を3〜4個食べると病気になる」(※1)というのはエビデンスがすごくゆるい。個人的には1日3個食べても問題ないと思ってます。

 


■参考記事

卵の黄身ってやっぱ凄いアンチエイジングフードだよなーと思った話」(パレオな男)

1日に3〜4個の卵で体脂肪が減るかも?」(同上)


 

友加里:私、その倍の6個は食べてます。

 

鈴木:すごいですね。

 

友加里:以前は毎日10個食べていたんですが、栄養バランスを考えて最終的に6個になりました。

 

鈴木:それでもすごいけどね。血液検査で問題なければ大丈夫だと思いますよ。

 

友加里:この間受けた血液検査ではHDL(善玉コレステロール)の数値が上がっていました。

 

鈴木:卵を1日3個ずつ食べてると善玉コレステロールの機能が改善する」(※2)という話もありますからね。

 

友加里:HDLが高いのはいいことなんですか? 

 

鈴木:まず健康には害がないと思いますね。体のメカニズム的にも、食品からとったコレステロールが血中コレステロールに与える影響は小さい。コレステロールを生産する肝臓が正常に機能しているなら、自動的にコレステロールをコントロールできているはずです。

 

レッツ・クッキング!「ふわとろ納豆生オムレツ」

 

——友加里さんの予想以上の「たまご愛」に驚いた様子の鈴木さん。たまご談義でひとしきり盛り上がったところで、さっそく企画のメイン「卵クッキング」にうつる。

 

友加里:今回はコンビニに売っている食材だけで「ふわとろ納豆生オムレツ」を作ります。

 

鈴木:「生オムレツ」とは?

 

友加里:卵白だけ加熱して卵黄を後から乗せたもののことです。混ぜて食べるとオムレツっぽいので、私が「生オムレツ」と名付けました。卵白とみりん、納豆の粘りが協力することですごくふわふわになります。

パレオさんも一緒に作りましょう、すっごい簡単なので!

 


▼動画で見たい方はこちら


 

■「ふわとろ納豆生オムレツ」材料一覧

・卵…1個

・納豆…1パック

・ネギ…1/3本

・みりん…小さじ1

・鯖缶…1/3缶

・ほうれん草…30g

 

——今回たまごソムリエ友加里さんに教えていただいたレシピは、通常の「ふわとろ納豆生オムレツ」の進化形。鯖缶とほうれん草が加わり、より栄養面が強化されている。

 

友加里:まずは卵ですが、コンビニの卵ではセブンイレブンのものが一番おいしい。卵業界のトップ、イセ食品の卵です。

 

鈴木:やっぱりセブンイレブンが一番なんですね。セブンは鯖缶にせよ、カット野菜にせよ、抜群にうまい。

 

友加里:わかります! 安定のセブンですよね。

小粒納豆なら、ローソンの「やわらか納豆」がオススメ。個人的にはベストオブ納豆だと思ってます。

 

 

①納豆を器に入れる

 

友加里:ねぎが嫌いでなければ、味がぼやけないように多めに。お家で作るときは長ネギを太めに切っていれるのがオススメです。

 

鈴木:ここまでは普通に美味しい納豆を食べる手順ですね。

 

②みりん小さじ2/1〜1ほど&卵の白身をカップに入れて混ぜる

 

 

友加里:白身をいれたら、空気を入れるように混ぜてください。1分ぐらい続けているとふわふわになります。

 

鈴木:友加里さんは卵を混ぜるのがうまいですね。混ぜる時の箸の音が全然違う。

 

——友加里さんのボウルからは軽やかな音が聞こえてくる。

 

友加里空気を入れるように、箸を少しあげて混ぜるといいですよ。

 

 

鈴木:あ、できました!

 

友加里:これが上手に聴こえる混ぜ方です。

 

③鯖缶&ほうれん草をカップに入れて混ぜる

 

 

友加里面倒であれば、ここまでの材料をまとめてカップに入れて混ぜても大丈夫です。

ここで鯖缶の液が余るのですが、この液はパレオダイエット的には食べない方がいいんでしょうか。

 

鈴木:食塩が多いので、自分は食べませんね。

 

友加里:ちなみにパレオさんは鯖缶は1日……いや、1週間に何個くらい食べますか?

 

鈴木:1週間に3、4個です。

 

友加里:結構多いですね。と言いつつ、私は毎日食べてしまうんですけど!

 

鈴木:全然問題ないと思いますよ。

 

——納豆・みりん・白身・鯖・ほうれん草を十分に混ぜ終えたところで、いよいよ電子レンジの出番だ。

 

 

④ 600w電子レンジで1分加熱(500wなら2分)

 

 

——真剣に電子レンジを見つめる友加里さんと鈴木さん。

 

友加里:ここで固まりきらなくても半熟でおいしいんですが、固まっていないと最後に乗せる卵黄が沈んで、写真映えしません。

 

——電子レンジから納豆とたまごのいい匂いがしてきたところで、カップを取り出す。

 

やさしい色合いの生地が完成。気泡が「ふわふわ食感」を期待させる

 

⑤固まった白身の上に「たまごポケット」を作り、卵黄を乗せる

 

残しておいた卵黄を生地のくぼみに乗せると……鮮やかな一品「ふわとろ納豆生オムレツ」の出来上がり

 

鈴木一気におしゃれになりましたね! 急にいい料理の雰囲気が出てきた。確かにこれは簡単だ……。

 

友加里:卵黄を崩して一気に混ぜるのではなく、白身と絡めながら食べるのがオススメです。

 

鈴木:黄身をタレ的なイメージで食べるんですね。

 

 

「ふわとろ納豆生オムレツ」試食

 

——とうとう完成した「ふわとろ納豆生オムレツ」。卵黄を割り、白身ごとすくって食べる。

 

 

鈴木:なるほど……これはうまい。鯖が効いてる。生臭さもない。

 

友加里マヨネーズを加えるとまろやかになります。チーズやニンニク、キムチを入れてもおいしいですね。トッピングにはノリがオススメです。

 

鈴木:これはすごい。インスタとかにあげたら「パレオさん料理できるんだね」って思ってもらえそう。

 

「納豆生オムレツ」の味に「パレオな男」もこの笑顔。

 

——編集部員もさっそく試食。ふわふわとした食感なのに、具材が多く食べ応えがある。納豆や鯖がそれぞれの味を引き立てあっている印象だ。その場にいる全員が黙々と生オムレツを味わった。

 

ふわとろ納豆生オムレツ+食物繊維=最強の完全栄養食

 

友加里:「パレオな男」である鈴木さんとしては、栄養的に今回のメニューをどう思いましたか?

 

鈴木卵、ほうれん草、鯖、ネギ、納豆……。この食材でできているんだから、完全食に近いですね。

 

友加里:おー、すごい!

 

鈴木たんぱく質豊富な卵に、栄養の王様のほうれん草。納豆にはなかなか取りづらいビタミンKが入っているし、鯖缶は良質な油の山です。後は、もう少し食物繊維があればより最強な完全食になるんじゃないかな。

 

友加里:食物繊維ですか……。キノコを入れるのはどうでしょう?

 

鈴木:いいですね! 味も合いそう。手軽に食物繊維を増やすなら「オオバコパウダー」を混ぜるのはどうでしょう。メンタリストDaigoさんもこれを混ぜてピザ生地作ったりしてますよ。

 

友加里:おからパウダーのように使うんですね。

 


■参考記事「最強食物繊維のひとつ「オオバコ」の素敵なメリットと、使いこなすためのガイドライン」(パレオな男)


 

卵レシピは「めんどくさい」から始まった

 

鈴木:自分はレシピを考えたり、調理法を工夫するのが苦手なんですよ。このレシピも、よく考えつくなと思う。どういう脳の働きでレシピを思いつくんだろう?

 

友加里: 料理が好きというわけではなかったのに、卵レシピに関しては次から次へと湧いてくるんです。今、レシピは全部で600〜1000くらいあるはず。

鈴木さんは、料理はされるんですか?

 

鈴木:料理というか……素材のまま食べてますね。卵を食べるなら、ゆで卵一択。

食材は茹でるか、……ほぼ茹でてますね「茹でる」以外の調理法を言おうとしても、他の調理法が出てこない(笑)。

 

友加里:私も料理はするんですけど、加工するのはあまり好きじゃなくて。素材が一番だと思ってます。鶏肉もレンチンしてそのまま食べたり。

もともと『たまごソムリエ友加里のたまご大好き-あなたのたまご料理が100倍おいしくなるレシピ-』を書くまでほとんど料理をしたことがなかったぐらいですから。

 

鈴木:レシピ本を出している人なのに、意外です。

 

友加里食器を洗うのも、火を使うのも面倒。だからこそ、簡単でお手軽なレシピをたくさん思いつくんです。いろんな食材を組み合わせやすいから、卵レシピは無限ですよ。

逆に、凝った料理や「肉じゃが」「味噌汁」といった普通の料理は苦手です。具材をつい入れすぎてしまって、味がぼやけてしまうんです。

 

鈴木:味がぼやけるっていうのはどういう現象なんでしょう。要素の1つ1つが引き立ってないという感じ?

 

友加里:そうですね、食材全部の味が調和しすぎて、それぞれの味を打ち消し合ってしまうんです。
だから、素材の味が生きているという意味では生卵が一番好き。「今日はまだ卵を食べてない!」って思ったら、生卵を飲んで「卵チャージ」したり。

 

鈴木:茹でずに、生卵だけで食べるんですか?

 

友加里:生卵を飲むと力がみなぎります。ぜひやってみてください、騙されたと思って!

 

——「パレオと卵に聞いてみた」、後編では完全食・ダイエットフードとしての卵に切り込んでいきます。


▼書籍紹介

『最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~』

疲労・肥満・不眠・不安・病気・老化―文明病から脱却し、本来の自分を取り戻せ!!進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法。


たまごソムリエ友加里のたまご大好き-あなたのたまご料理が100倍おいしくなるレシピ

たまごをこよなく愛する著者友加里が、本当に美味しいたまごの食べ方をご紹介。基本からアレンジレシピまでこの一冊であなたもたまごの虜になること間違いなし! 


▼動画紹介

今回の対談&調理・実食の模様をYouTube動画にしていただきました!
 
 

参考文献

※1:「週に3個以上の卵を摂取、心疾患のリスク増大か 米研究」(CNN)

※2:Diana M DiMarco, Gregory H Norris, Courtney L Millar, Christopher N Blesso, Maria Luz Fernandez「Intake of up to 3 Eggs per Day Is Associated with Changes in HDL Function and Increased Plasma Antioxidants in Healthy, Young Adults 」The Journal of Nutrition, Volume 147, Issue 3, March 2017, Pages 323–329

About the author

鈴木祐 

サイエンスライター

サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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