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腰痛にならない寝方は?腰痛にまつわる8つの疑問に名医が回答!

痛み改善ドクターの富永喜代先生(富永ペインクリニック院長)に、腰痛の気になるギモンを聞いてみた。

年をとると、なぜ腰痛になるの?

 

40代以降になると、長期化した腰痛に悩まされる人の数も増加する。なぜ年齢を重ねると重症化してしまうのか?

「いちばんの要因は、背骨の自然なカーブが崩れて、痛みがひどくなってしまうこと。年齢を重ねるにつれて生活習慣からくる姿勢の悪さによって、背骨本来のS字カーブがだんだんと崩れていってしまうのです」(富永先生、以下同)

こうした変化は加齢とともに起こりやすく、その結果、腰痛になりやすい。

「高齢者の腰痛予防には、筋トレより運動習慣のほうが重要です。運動不足の人がいきなり筋トレを行うと、激しい筋肉痛に襲われるだけ。ウォーキングなどの軽い運動習慣を保つだけで、身体全体の血流がよくなり、代謝が上がります。すると、腰痛の原因になる老廃物が体内から排出されるので、腰痛の改善につながる可能性が高いのです」

 

 

肥満・背が高い人はなりやすい?

 

体重が増えると腰の負担も増して、腰痛になりやすいと言われているが……。

「肥満と腰痛の関係は、まだよくわかっていません。たしかに、肥満の人のほうが腰痛になりやすいのではないかという研究もあります。しかし、肥満度と腰痛の発症頻度や重症度には明らかな関連性がないという研究結果もあり、結論が出ていないのが現状です」

では、背の高い人は? 背の低い人に比べて、前かがみになる回数が増え、猫背になっている人も多く、腰への負担は大きそう。

「背の高い人は一般的な身長の人よりもかがむ姿勢が必然的に多くなります。例えば、背の高い人が身体の曲げ伸ばしや腰を回旋させる動きが多い、もしくは長時間、同じ姿勢で行う仕事を選ぶと、腰痛の発症頻度がかなり高まります。そう考えると、背の高い人が腰痛になりやすいといえるかもしれません」

 

 

朝起きたとき、腰が痛くならない寝方は?

 

“あお向けで寝るのがつらく、目覚めると腰が痛い……”。腰に違和感がある時は、うつ伏せで寝るほうが負担は少ない?

「1日の睡眠時間は6~8時間。これは1日の3分の1に当たり、私たちは思っている以上に長い時間を眠りに費やしています。それだけに、日中のケアに加え、寝ているあいだの腰への負担も軽減するほうがよいのは言うまでもありません。腰への負担が少ない寝方はあお向けでも、うつ伏せでもなく、横向き寝。ひざを軽く曲げ、エビのように軽く丸まって、背中をゆるやかにカーブさせた姿勢です」

 

クシャミが怖い……対処法は?

 

「クシャミをして腰がピッキーンと痛くなるのは、胸腔の圧変化が関係しています。クシャミをすると胸腔が膨らみ、腹部にかかる圧が上昇するのです。簡単にいえば“ハクション!”が腰に響くというわけ」

自然現象だけに避けようがない?

「クシャミを止めることはなかなか難しいもの。そこで“鼻がムズムズしてクシャミが出そうだ”と思った瞬間に、口からわざと息を吐いてしまうという方法がオススメです。通常は息をぐっとこらえ、“ハクション!”とクシャミをします。しかし、それでは胸腔内の圧が一気に高まって腰に伝わり危険! その圧を逃がす方法として、空気をあらかじめ吐ききってしまうわけです」

 

 

1度痛めると一生付き合うって本当?

 

腰痛持ちは、たいがい痛みが引いてはまた繰り返しているイメージが……。1度、腰が痛くなったら、お付き合いは一生続くの?

「国民生活基礎調査の『病気やケガによる自覚症状』によると、腰痛は男性の1位、女性の2位です。とはいえ通常なら、急性腰痛の場合は発症1か月後に58%がいったん急激に改善します。ところが、12か月の期間での腰痛の有無を見たデータでは、患者の73%が再発を経験しています。これは日常生活での姿勢の乱れなどが、痛みの発症と関係しているからでしょう。つまり、腰の痛みは一生のお付き合いではないものの、多くのケースで再発を繰り返す、やっかいな症状だと言えます」

 

 

腹筋や背筋を鍛えれば解消されるの?

 

腹筋と背筋の“バランスの悪さ” “筋力の低下”は、腰痛になった時、よく指摘されるポイントだが……。腰まわりの筋力をしっかりと均等に鍛えることができれば、腰痛から解放されるの?

「残念ながら、腰痛に対する腹筋・背筋のトレーニング効果には、十分な医学的根拠がありません。第一、どこまで鍛え上げればバランスがよくなるのか……際限がないともいえます。前述したとおり、筋トレより運動習慣のほうが腰痛予防になるでしょう」

ちなみに運動療法は、3か月以上続いている腰痛に対しては高い効果があるそうだが、

「ギックリ腰などの急性腰痛の症状には逆効果です! 前述したとおり、安静にしておきましょう」

 

 

ギックリ腰になったらまず何をすべき?

 

突然やってきて、激しい痛みとともにその場からまったく動けなくなってしまうギックリ腰。いざ自分の身に降りかかった時、いったいどう対処したらいいの?

「ギックリ腰は、急性腰痛症の総称です。主に、腰椎椎間板の一部が断裂したり、腰椎椎間板ヘルニア、腰部椎間関節症、腰椎圧迫骨折などの症状で起こります。軽く考えず、まずは安静にすることが大切!」

痛みが出た直後は腰部に炎症を伴っているケースがほとんどだそう。

「ある程度、動けるようになったら、医師の診察を受けて、消炎鎮痛剤などを使った薬物治療が有効です」

 

 

エッチのやりすぎは腰痛につながる?

 

「いきなり話は脱線しますが、“ハネムーン喘息”という症状があります」

これは初夜に対する過度のプレッシャーや過度な運動量の負荷によって、エッチのあと、喘息に似たような症状を引き起こしてしまうのだそう。

「対策として、“軽いウォーミングアップをしてからセックスに臨め”と指導する医師もいるそうですが、それもどうかと思いますよね。とはいえ、セックスと腰痛の関連性についても、ウォーミングアップについて同じことが言えるかもしれません。しかし、セックスと腰痛の関係性の医学的根拠はありません」

 

 

当記事は「週刊女性PRIME(運営:主婦と生活社)の提供記事です。