FITNESS

野性時代を取り戻す、ベナン。 セックスアピールのある悪い汗。

世界中をめぐる著者が、現地の健康情報を毎週お届けします。

 

西アフリカの旅を漢字ひと文字で現すと、「汗」。
頭の上に漬物石を置いたような強烈な日差しに、全身が汗だらけです。
拒否されると進退窮まるビザ申請では、脇の下を脂汗が流れ、悪徳警察官に捕まっては背中を伝わる冷や汗。
慢性的な停電でエアコンは役に立たず、失禁のごとく広がるのは、寝汗。
鼻の頭で咲いた汗は、ピーマンと勘違いして唐辛子を食べたからです。

DSC_7546

不快感指数は、100%超え!

蒸し暑いベナンの海岸部。
一歩外に出たら、一瞬にして汗だくになります。
フランスに占領されるまでこの辺りを制していたのは、世界一のゆるキャラ国旗で有名なダホメ王国。
幼稚園児が描いたような象さんのイラストでほっこり感を出しておきながら(国旗の画像はこちら)、王国の特産品は奴隷です。
近隣の部族をとっ捕まえては売っぱらっていたのですから、湿気に怨念が染み込んでいます。
不快感指数は、余裕で100%超えです。
ちなみにゆるキャラ国旗としては、古のベニン王国も秀逸です。
可愛い顔して、けっこうヤリます(国旗の画像はこちら)。

汗には2種類あります。
良い汗と悪い汗。
良い汗はエクリン腺と呼ばれ、イメージ的には、青空に降った天気雨。
さらさらとして、水っぽく爽やかです。
汗口から出るとき、汗に含まれるミネラル類を体内に再吸収させているので99%が水。体温を調整します。

一方、悪い汗はアポクリン腺。
印象は、ジャングルの梅雨。毛穴から出てくる悪い汗は、脂っぽくてベタベタです。
その粘度は、塩分以外の脂肪やたんぱく質やアンモニア。肌をアルカリ性にさせるので、殺菌力が低下します。
繁殖した雑菌が、匂いや洋服の汗染みの原因です。
しかも、悪い汗はデリケートゾーンで活躍します。
脇の下やへそ、耳の穴や性器や肛門のまわりです。
ただでさえ臭そうなところが、より臭くなるのです。
加えて、加齢臭の我が身。
ふと振り向くと、何かしら臭うことが多く、そばに誰かいるのかと尾行者や地縛霊を探したものですが、臭いのは自分なわけです。
臭い爺さんじゃ恋もできませんから、こまめに着替えたいのですが、雨期なので洗濯が追いつきません。
誰よりも臭い筆者のどこよりも臭い箇所が、さらに臭くなる負のスパイラルですが、人間のカラダとは不思議なもので、伊達に臭いわけじゃないのです。
汗の匂いは、異性を惹きつけるための道具。あの強烈なワキガですら、セックスアピールの一種なのです。
しかも悪い汗は、毛穴に詰まった皮脂や老廃物も排出するので、美肌効果あり。
さらに言えば、頻尿自慢な筆者でしたが、尿は汗として流れるので、最近、尿漏れもありません。
デリケートゾーンの匂いはフェロモンだとすれば、異性を惹きつけるのも納得です。
ここアフリカで、野性時代を迎えています。

 

もしアフリカではなく、日本の地で野生を取り戻したい読者がいましたら、水をよく飲んで半身浴することです。
そして、味見。
汗がしょっぱくなったり酸っぱかったら、臭くてもフェロモン。
リトマス紙が青くなれば、弱アルカリ性。
野性時代の到来です。

 

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)
デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。